ジュエリーを通販で買う?名前を読み解く宝石の見分け方

昨今、ジュエリーにおいてもインターネットでの販売が増えつつあり、実物を見る事なく、写真と文字のみでの判断からの購入に至った経験のある方も多いと思います。

店舗がない分価格を抑えることが出来るので消費者としてのメリットは大きいですが、中にはイメージを良くする為に、価値を高く見せるためだけに、煌びやかな”キャッチコピー”として、宝石名を製品名に用いている場合があります。

全てではないですが、前半が実際の宝石(または素材)で、後半がイメージを良く見せるための宝石名の場合が多いと感じます。

 

<天然石>

①シトリントパーズ

②ハーキマーダイヤモンド

<人造石>

③CZダイヤモンド

④コットンパール

 

上記はほんの一例ですが、このあたりは聞いた事がある人も多いと思います。では、1つずつ解説していきます。

①シトリンは黄水晶で、トパーズとよく似た色ですが、一般的にシトリンよりトパーズの方が高価で貴重な宝石です。

なのでこの場合、シトリンをまるでトパーズかのように謳っています。

②ハーキマーは水晶です。この場合”ハーキマー”は素材名ではなく、アメリカのハーキマー州で多く産出されることが由来です。ハーキマー「クォーツ(水晶)」というよりも、ハーキマー「ダイヤモンド」と呼んだ方が価値がぐっと上がる感じがしますよね?でも実際ダイヤモンドというわけでもなく、そこまで珍しい宝石でもありません。

③CZとは「キュービックジルコニア(Cubic  Zirconia)」の略称。これはダイヤモンドの模造石です。人工ダイヤモンドはいくつかの種類があるのですが、その中でもCZは一般的に出回っていて安価です。見た目も綺麗ですが「ダイヤモンド」ではないのでご注意ください。

④コットン、つまり綿を固めたものにパール色の塗料を乗せたのがコットンパール。最近少し価格が下がったように感じますが、数年前は綿にしては高価過ぎると感じる価格で、コットンパールを使用したアクセサリーが販売されていました。

 

このコラムでも何度かお伝えしていますが、偽物だから悪い、ということではありません。

シトリンも美しい宝石ですし、ハーキマーもきちんと宝石で、研磨なしでキラキラ光るのが魅力です。

CZやコットンパールは、本物よりも軽くて安価なので、大ぶりなデザインや普段使いしたいという場合には重宝します。

 

ただ、ジュエリーを扱う者としては、素材を偽って(もしくは意図的に勘違いさせるような表記)で販売するのはいかがなものかなというのが本音です。

特にインターネットで購入する場合には、目につきやすい部分の表記は価値の高いものに似せるためややこしい表記が多くありますのでご注意ください!

 

おまけになりますが、最近ちょくちょく見かける「ラベンダー翡翠」。

翡翠は一般的に緑色のイメージが強いですが、実際は多種多様な色があります。その中で薄紫色をラベンダーと呼び、「色+宝石名」で価値を上げるというよりは、イメージを華やかにするための通称です。

またダイヤモンドよりも高価と言われる「パライバトルマリン」はブラジルのパライバ地方で採れるネオンブルーの貴重なトルマリンです。これは「採掘された特定の地域+宝石名」で価値を上げるための通称。(*現在はナイジェリアやモザンビークでも採掘されています)

宝石名をよく見ることも、賢い買い物をする材料の1つです!

迷ったときはプロに聞いてみるのもおすすめです。

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